2020年06月

 うっとうしい梅雨の中、明るい緑色の極細の葉をふわりと広げているのは、たぶんホソバヒカゲスゲ。

 

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鉢内径 10

 



 昨年の今頃、通勤途中の林縁で、妙に細長い黄緑色の葉を伸ばしている植物が目に留まり、掘り取って鉢に植えておいたもの。

 

葉幅0.51mm、葉の長さ3040cm。形としては常緑のリュウノヒゲに似ているが、葉の淡い緑色と風になびくふんわり感が美しい。

 

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 実は当初この植物はスゲの仲間だろうと思ったものの名前が分からなかったのでネットで調べたところ、春咲く花の花茎が短ければホソバヒカゲスゲらしいということが分かり、今年3月の開花を待ったところ、確かに数センチと短いことが確認できた。

 

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 そよ風にふわふわとたなびく姿は梅雨のさなかに涼しげ。ただ、我が家ではコナラ丸太の鉢台が有ったので良かったが、普通なら置き場所に困るかもしれない。

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いよいよ今週から梅雨入りだが、先週、庭のテリハノイバラが最初の花を咲かせた。

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鉢内径 23

 

 これはかなり前に大学の駐車場に生えていた株を掘り取って鉢に植えておいたもの。毎年この時期に花を咲かせる。

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 こちらは、小分けして小鉢で栽培しているもの。小さくて照りの強い葉とその割には大きめの花が可愛いらしい。

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鉢内径 9

 

当地、茨城の県名は、「茨(いばら)で城を築いた・ふさいだ」との故事に由来するとのこと。いばらはトゲのある低木全般を指すが、当地でトゲのある木といえばバラ。そのようなわけで、茨城県のシンボルマークはバラのつぼみをデザインしたものなのだそうだ。

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 この辺で普通に見られる野生のバラといえば、ノイバラとテリハノイバラ。それぞれ、立ち木性とつる性の園芸バラの育種に使われたそうだ。

 

ノイバラは2メートルぐらいの高さになり、たくさんの花を着けるが、テリハノイバラはつる性で背が高くならず、大きな花を着けるが花数は少ない。その昔、城をふさいだのはノイバラだろう。

 

ノイバラは邪魔な存在なので、市街地では除去されてしまってあまり見ることがないが、テリハノイバラは道路や空き地で地面を這っているのを見かける。これは近所の道路の石垣から垂れ下がって花を咲かせているテリハノイバラ。

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 これにならって我が家の大鉢の株は、来年は刈り込まずに伸ばして、懸崖仕立てで咲かせてみようと思う。

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