庭のグミの枝にセミの抜け殻を見つけた。我が家の庭では珍しいので、記念に花瓶に生けてインテリアに移動。

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 我が家は小高い丘を切り崩してできた新興住宅地に在る。筑波研究学園都市の誕生とともに生まれた近所の官舎に比べれば歴史は浅いが、子育ての場となった懐かしい官舎も、近年、取り壊しが進んでいる。

 

 官舎の敷地や隣接する公園では、夏になれば騒々しいセミの鳴き声に包まれ、毎晩、鈴なりのセミの羽化を見ることができる。しかし、15年前に引っ越してきた我が家の周辺では、まだ大きな木も少なく、夏になってもセミの声が聞こえない。

 

 セミが羽化していたグミの木の隣には、引っ越し当時に植えたニセアカシア(ハリエンジュ)の品種フリーシアが植えてある。ハリエンジュは極めて強勢な樹種で、放っておくと木から離れた場所のあちこちから萌芽してきて問題になる外来植物。このフリーシアも、芝生の中で萌芽してくる芽生え(接ぎ木台木の野生種からの萌芽)を抜き、剪定をこまめにしないと大変なことになる。しかし、野生種と異なる淡い緑の葉は捨てがたい。

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左下:グミ   右:フリーシア


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 我が家のグミの木で羽化したこのセミは、おそらく隣のこのニセアカシアの根から7年間に渡って樹液を吸いながら育ってきた、愛すべきパイオニアなのである。